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B002:ボールのパフォーマンスを理解するための物理特性


●回転半径(RG)
 回転半径のスケールは、慣性モーメントの大きさを表しています。慣性モーメントが低ければ手前から転がりやすくなり、高ければ転がりにくくなる、というのが物理特性で、基本的にはボール内部のコアデザインで決まります。そのことがスキッド(滑り)のポテンシャルに関わってくる要素となります。ここでは低慣性、中慣性、高慣性に分け、さらにその中を3段階に分けてみました。ボール製造上の回転半径のルールは、2,430インチ以上2,800インチ以内に規定されています。

 例えば低−1という表示のボールを考えると、RGの数値が最も低いレベルですから、スキッドは短く手前から曲がる要素が強いボールだと判断することができます。ここでは低慣性(1〜3)中慣性(1〜3)高慣性(1〜4)の10段階のスケールで表記しました。

低慣性 低-1 2,430〜2,465
低-2 2,466〜2,500
低-3 2,501〜2,535

中慣性 中-1 2,536〜2,570
中-2 2,571〜2,605
中-3 2,606〜2,640

高慣性 高-1 2,641〜2,675
高-2 2,676〜2,710
高-3 2,711〜2,745
高-4 2,746〜2,800

●フレアポテンシャル/ 凾qG(回転半径の差)
 コア形状で、ピンを回転軸と同一方向に回転させた場合が最も低い慣性モーメントになり、ピンに対して90度に回転軸を想定して回転させた場合の慣性モーメントが最大になりますが、このそれぞれの回転半径の差(凾qG=0.080インチ以内)の大きさと、フレアの大きさは相関関係にあります。

 トラックフレアの大きいボールは回転の都度、オイルの着いてない部分でレーンを捕らえることになり、レーンとの摩擦を増やすことができるのです。ここでのフレアポテンシャルはボウラーが投球した最初の回転軸(イニシャルアクシス)とピンに当たるときの回転軸(プリファードアクシス)の変化の度合いをインチ(”)で表します。

●スキッド(1−10)
 回転半径(RG)がスキッドの長さのポテンシャルに関わる要素ではありますが、ここではさらに、カバー素材の性質も加えた上での数字になります。1から10+までのスケールで、数字が大きいほどスキッドは長くなると考えてください。

●バックエンドリアクション(1〜10)
 バックエンドリアクションはRG(回転半径)とは関係なく、ボールがフックしてからのリアクションの大きさを数値で表しています。1〜10の範囲(1=最小のリアクション、10+=が最大のバックエンドリアクション )で比較しています。

●フックポテンシャル(1〜24)
 ボールはそれ自体がフックするのではなく、リリースで与えられたサイドローテーションとレーンの摩擦により軸移動が起きフックします。そのボールのフックすべき潜在力の度合いを、ダル(サンディング状態)で仕上げた場合とポリッシュに仕上げた場合を1〜24の範囲(1=低フック潜在力、24=高フック潜在力)で表しています。


 これらの物理特性を利用するための例をあげてみると、例えばシャープなバックエンドをもたらすイメージのボールを求めているときには、中慣性以上のボールを選びましょう。

  低慣性でフレアポテンシャルの大きいボールを選ぶと、手前からルーズに曲がるイメージのボールになってしまいます。フレアの大きさはドリルのピンレイアウトで調整することが可能です。但しオイリーなコンディションでシャープなバックエンドを求めるには高回転プレイヤーでない限り無理があります。そんなときは低慣性でフレアポテンシャルの大きいボールを選んで、手前からの転がりを重視すべきです。

  但し、リアクティブ素材に低慣性のボールを組み合わせるパターンも最近では多くなっていますが、レーンヘッドの走りを出しながら、バックエンドではマイルドな曲がりイメージをもたらすというのが特性です。このようにコアとカバーの組み合わせによって様々なパフォーマンスがあり、軌道のイメージだけを考えると選択肢が多くなってきているのも最近の傾向です。

  レーンコンディションによってこれらの物理特性を上手に利用することが、ボールのラインナップを考える際には重要なポイントになるでしょう。